所有の余剰、借用の効率、計れない利益(前)
ご無沙汰しております。大森です。
興味深いというか突っ込み入れたくなったブログで一席。
ASSIOMA(アショーマ) » 「都会を離れれば生活コストが安くなる」は本当か?
リンク先は読んでもらえただろうか。かいつまむと、下関駅前の過疎ぶりを例にとり、
「国全体が「プア充」に流れてしまったら。自販機さえない、百円ショップもない、ネットショップの送料は有料、そんな時代に多くの人は満足出来るのだろうか?」
と締めている。元エントリでも、印象で乱暴に語っている上に、特定の町を取り上げたこともあり、突っ込みが入っている。地方は貧しく、都会は豊かを常識としてとらえているが、実際はどうなのか。ネットで情報を集めてみた。
調べたのは以下の3つ
Q1.地方と都会、収入はどれだけ違うのか
Q2.地方と都会、生活費はどれだけ違うのか
Q3.地方と都会、持ち家率はどれだけ違うのか
県別の収入と地域別の生活費は以下のとおり
月々の生活費は平均していくらくらい?|公益財団法人 生命保険文化センター
ざっくり言って、
A1.ベストーワーストの年収差は250万近くある。(東京/沖縄)
A2.ベストーワーストの生活費の差は月あたり10万程度ある。(四国/沖縄)
ベストが四国って一体四国はどうなっているんだ?
四国の生活費の話をすると、
地方対都市の論点がぶれるので、とりあえずおいておきます。
東京ー沖縄で見ると
250万ー(8×12)=154万円ぐらい東京での生活が豊かとなる。
もちろん机上の空論ですが。
県別の持ち家率は以下のとおり
A3.ベストーワーストの差は31.7%(富山/東京)
家が持てないと言われる東京でも持ち家率は5割り近い。
これらのことを強引にまとめると、
「東京で20年も働けば沖縄で働くより3000万以上貯められるにもかかわらず、
東京では家はなかなか買えない」
といったところでしょうか。
後半へ続く
終身保険の解約どき?
ごぶさたです。AFPを取得しましたが、仕事は別のことをして暮らしている状況です。
生活のお金サポートFPへの道はまだ模索中です。
さて、ネットで見かけた、医療保険についての記事が謎すぎるので、皆さんに謎を解いてほしいのです。まずは以下を一読いただきたい。
医療保険は「終身タイプ」が基本だ!~保険見直しの基礎知識(11)~|ザイスポ!|ザイ・オンライン
収入保障保険と医療保険を混同していることも、不思議だが、
とにかく謎なのは、以下の記述だ。
保険期間の選択について、
「病気にかかる可能性は、若い時よりも年を取ってからのほうが多いことを考えれば、医療保険も終身型を選ぶのがいいでしょう」とある一方で、貯蓄性については、
「積み立て型には解約返戻金があります。そのため実質負担額は掛け捨て型の約半分の負担で済むことがあるのです」と言っていることだ。
高齢期の医療費対策として医療保険を検討しているはずが、解約するとお得な保険があると説明しているのだ。解約なしでも返戻金がある医療保険もあるが、上記の説明では解約返戻金についてのみ取り上げている。
混乱してきたので、改めて整理すると、
・終身ー掛け捨て(返戻金なし)
・終身ー積み立て(返戻金有)
この2つの比較をしていると思うのだが、記事では、
終身保険だけど、解約すればお得と言っているのだ。
医療保障が不要になる状況を私には思いつかなかったが、記事には
「例えば、病気で障害が残り、ご家族が在宅介護をすることになった場合、医療保険を解約し、その解約返戻金で可動式ベッドや車いすを購入することも考えられます。」
とされている。
はて、障害が残るほどの病気でも医療保険は使わずに取っておいて解約すればお得?なら保険部分はまるまる損なのでは?
やっぱりよくわからない記事でした。
山崎元氏とファイナンシャルプランナー界隈の現実
楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元氏が投資セミナーの内幕についてやっと記事になった。
汚い!「投資教育特集」記事の舞台裏|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン
私はこのセミナーで話を聞いていたので、特に興味深く読んだ。
ぼやかされているが、山崎元&新聞社主催でまず間違いないだろう。
内容は十分刺激的で、横やりを受けたからというより、
聴衆が新聞読者であることを考慮した熟慮の結果に感じていたが。
自分もファイナンシャルプランナーとして山崎元氏のような投資観を多くの人と共有していきたいと熱望している。
金融業界未経験で金融に関して助言を行うのは危なっかしいと思い、
金融商品販売職、保険販売を中心に就職活動をしているが、はかばかしくない。
以前から、営業職にはいい印象がない。
いわゆる営業さんに、無責任にモノやサービスを売られた経験が自分だけでなく知人にもあり、顧客のために売らない選択肢を無視する視野の狭さに閉口している。
いい営業さんもいたが、ある程度買う目標がはっきりしているときに会った場合に限定されている。
早い話、「実際、顧客より自社商品を売ることだけ考える」価値観になじめないのだ。
個人資産を狙った販売とセットになった無料相談が氾濫する現状では、
販売と独立した有料相談は非常に厳しい立場にあります。
金融業界未経験での新規開業は特に。どのような業態を選ぶべきか。
すっきりとした見解はまだ得られていません。
新たな見識が得られたらまたアップします。
元保険業界人の足の引っ張り合いを見ると、げんなりする。
元保険業界人が書いた(らしき)ブログを見かけて、内容にげんなり。
その1
変額の終身保険と個人年金ではお金は貯蓄できません - ★個人ブログで辛口批評する!消費者側から見た生命保険/損害保険 - Yahoo!ブログ
その2
保険に関して消費者を愚弄する「残念パターン」を通り越した「悶絶パターン」 - 生保のトリセツ
その1の感想…変額保険を損する保険として評しているが、本来は投資商品に保険を付けたものと考えなくてはいけない。他の投資商品と並べた場合、費用が高い一方で、保険として税制優遇が受けられる利点については一切触れていない。もちろん、税制が変わる可能性(実際平成23年に生命保険料控除が変更されている)もあるので見込める利益に織り込むべきかは両論あっていいのでしょうが。
その2の評価…保険を高く評価しすぎです。文中で挙げられている3つの論点ごとに書くと、
(1)同額なら保障<資産です。自助努力では十分な資産を準備出来ない状況であれば契約の意義はあります。しかしながら、支給に際して保険会社の同意が必要である以上保障の価値は資産より劣ります。極端な話、精神疾患に起因する自殺の場合は保障されるのか、むち打ち症は保障されるのか。保険に頼るが故に心配すべき点があります。資産ならそのような心配は要りません。
(2)保険で資産運用は理由はともかく無理がある。税制優遇が受けられる利点はあるが、運用自体は投資信託の運用と同じ金融市場で行っているので、コスト面では勝てない。また、保険の内訳が不明瞭な点は素直に課題として認めるべき。
(3)保険料は必ず掛かるが、保険金支給に際しては保険会社の同意が得られない可能性がある以上、保険料が無駄と指さされるのはやむないところ。
そして、その1の方は著者が理事をされている生命保険格付協会からオフショアネットワーク連絡会への誘導が見えます、損する国内保険に替えてオフショア保険商品を薦める気でしょうか。安心を求める人にいきなり海外投資を薦めるのは、アウトです。
失業者には保険の話をしても無駄なのか
これは実話です。
中立という独立系保険代理店から保険相談の勧誘電話がかかってきた。
↓
保険の勧誘はないというので承諾。直近の昼間を面談時間に指定。
↓
最終確認と称して私が「勤め人」か聞いてきた。
↓
失業者と答えたら向こうから断ってきた。
ファイナンシャルプランナーも稼いでなんぼですから、
営業戦略は自由だけど、手際が悪くて手の内が見え見え。
既存契約が不利であると情報提供し、
保険乗り換えさせて新規契約をとるためだけにやっているんだろうな。
相談者に対し金融商品の情報提供までにとどめ、勧誘はしないのは、
相談者の助言者たるFPの最低ラインだろう。
相談者の保険の加入状況だけでなく、
総合的な状況をみて保険相談を受ける気概は感じられない。
厳しい状況の人にこそ保険は適した商品なのにな。
現役FPの話が聞けず残念な電話でした。
確定拠出年金は庶民のオフショア
個人的なはなしですが、昨年諸事情で退職しました。
退職後の手続きで、在職時に加入していた確定拠出年金(企業型)の扱いには悩みました。脱退するか、確定拠出年金(個人型)への移管をするかで。
悩んだ結果、確定拠出年金は庶民のオフショアとしての価値があると結論づけた上で、掛け金を払う事を決めました。
その経緯を個人的状況を併せて少し書きます。
私の加入状況は、加入期間約4年で、資産評価額が10万円ちょい、
次の仕事未定のため国民年金加入予定となっています。
その場合、確定拠出年金(個人型)加入が必須で、
脱退はとりあえず出来ないと確認しました。
脱退できないとなった場合問題になるのが費用の問題です。
加入して拠出金を自分で積み立ても、
運用指図者として資産を維持しても費用徴収があり、
目減りする可能性があるからです。
加入して拠出すれば拠出した分税金が安くなる一方、
運用指図者となれば徴収費用自体は安くなる。
運用のリスクを考えるとどちらも決め手に欠きます。
増田まとめでみた確定拠出年金(企業型)を放置した場合を反面教師としながら、
判断の足しになる情報がないかとネットをみていたら、
破産時の差押対象に確定拠出年金は含まれない記述を発見。
(横浜弁護士会の各種書式集の 申立代理人の方へ(管財事件について))
国税の滞納以外での差押はうけないようです。
この情報を見つけたとき、はっと気づいたのです。
確定拠出年金ってオフショアに求める要素のいくつかを持っていることに。
・破産してもなお老後まで下ろせず、資産が法的に保護される。
・運用益非課税のため、同一の運用商品であれば必ず利益が多く出る。
(運用商品によるが、10%〜20%程度)
一方以下の点ではオフショアには及びません。
・加入資格が無いとそもそも利用出来ない。
・老齢になるまで使えない。早期リタイアには不向き。
・運用商品の選択肢が少ない。
・拠出金額には上限がある。(年81万6000円)
しかし、海外での運用となるオフショアより有利な点もあります。
・初期費用が圧倒的に少ない。
・自国の公営制度なので、非在住の外国人として行うオフショア投資と比較して、
言語、法律的に不利な立場に立つことはない。
投資信託などでの運用経験があること、
私の投資目的「人生全般における生活の安定」との相性を考えた結果、
掛け金を払う事を決めました。
あくまでも、老後の生活設計は個人ごとの事情に合わせての判断が必要ですが、
参考になれば幸いです。
毎月配当投信を買おうとしているあなたへ
ファイナンシャルプランナーから言えることは、
毎月配当投信は、扱いが難しい商品だということ。
第一に、配当を目的で保有するので、基準価額の変動時の対応が遅れる。
具体的には基準価額が下落したならば損きりのために売却できるのか、
基準価額が上場したならば利益確定で売却できるのかということ。
第二に、お小遣い確保をもくろむ人向けの商品であること。
もうけるための仕組みを犠牲にしていることは、多くの人が批判している。
それでも毎月配当投信を買いたいあなたには、
お金に対する品性と現状認識を問い直したい。
例えるなら、あなたが家計を奥さんに任せている、
サラリーマンの亭主だとしてみる。
物入りで家計が厳しい月に奥さんが
「今月厳しいから、お小遣い半額で我慢して。ボーナスで穴埋めするから」
と言う奥様と、
「今月厳しいけど、なんとかやりくりしてみるわ」
と言う奥様、どちらが良い奥様だろうか。
前者はわかりやすいが負担が発生し、
後者は負担は無いが、やりくりの方法が不明だ。
やりくりの方法は、倹約か、借金か、貯金の取り崩しか、
いずれにしろ無いものはどこかからか持ってくるしか無い。
投信運用会社は家族ではない。信じることが幸せにつながると、
言いがたいのが金融界の実際だろう。
気ままに使えるお金が欲しいからとたどり着いたのが、
毎月配当投信だとしたら、投資の実際が見えていないと自覚するべきだろう。