ファイナンシャルプランナー大森信侍の日記

ファイナンシャルプランナー 大森 信侍(おおもり しんじ)がお金に関する事をつづる日記です。

元保険業界人の足の引っ張り合いを見ると、げんなりする。

元保険業界人が書いた(らしき)ブログを見かけて、内容にげんなり。

 

その1

変額の終身保険と個人年金ではお金は貯蓄できません - ★個人ブログで辛口批評する!消費者側から見た生命保険/損害保険 - Yahoo!ブログ

 

その2

保険に関して消費者を愚弄する「残念パターン」を通り越した「悶絶パターン」 - 生保のトリセツ

 

その1の感想…変額保険を損する保険として評しているが、本来は投資商品に保険を付けたものと考えなくてはいけない。他の投資商品と並べた場合、費用が高い一方で、保険として税制優遇が受けられる利点については一切触れていない。もちろん、税制が変わる可能性(実際平成23年に生命保険料控除が変更されている)もあるので見込める利益に織り込むべきかは両論あっていいのでしょうが。

 

その2の評価…保険を高く評価しすぎです。文中で挙げられている3つの論点ごとに書くと、

(1)同額なら保障<資産です。自助努力では十分な資産を準備出来ない状況であれば契約の意義はあります。しかしながら、支給に際して保険会社の同意が必要である以上保障の価値は資産より劣ります。極端な話、精神疾患に起因する自殺の場合は保障されるのか、むち打ち症は保障されるのか。保険に頼るが故に心配すべき点があります。資産ならそのような心配は要りません。

(2)保険で資産運用は理由はともかく無理がある。税制優遇が受けられる利点はあるが、運用自体は投資信託の運用と同じ金融市場で行っているので、コスト面では勝てない。また、保険の内訳が不明瞭な点は素直に課題として認めるべき。

(3)保険料は必ず掛かるが、保険金支給に際しては保険会社の同意が得られない可能性がある以上、保険料が無駄と指さされるのはやむないところ。

 

そして、その1の方は著者が理事をされている生命保険格付協会からオフショアネットワーク連絡会への誘導が見えます、損する国内保険に替えてオフショア保険商品を薦める気でしょうか。安心を求める人にいきなり海外投資を薦めるのは、アウトです。

失業者には保険の話をしても無駄なのか

これは実話です。

 

中立という独立系保険代理店から保険相談の勧誘電話がかかってきた。

保険の勧誘はないというので承諾。直近の昼間を面談時間に指定。

最終確認と称して私が「勤め人」か聞いてきた。

失業者と答えたら向こうから断ってきた。

 

ファイナンシャルプランナーも稼いでなんぼですから、

営業戦略は自由だけど、手際が悪くて手の内が見え見え。

 

既存契約が不利であると情報提供し、

保険乗り換えさせて新規契約をとるためだけにやっているんだろうな。

相談者に対し金融商品の情報提供までにとどめ、勧誘はしないのは、

相談者の助言者たるFPの最低ラインだろう。

相談者の保険の加入状況だけでなく、

総合的な状況をみて保険相談を受ける気概は感じられない。

 

厳しい状況の人にこそ保険は適した商品なのにな。

 

現役FPの話が聞けず残念な電話でした。

確定拠出年金は庶民のオフショア

個人的なはなしですが、昨年諸事情で退職しました。

退職後の手続きで、在職時に加入していた確定拠出年金(企業型)の扱いには悩みました。脱退するか、確定拠出年金(個人型)への移管をするかで。

 

悩んだ結果、確定拠出年金は庶民のオフショアとしての価値があると結論づけた上で、掛け金を払う事を決めました。

 

その経緯を個人的状況を併せて少し書きます。

私の加入状況は、加入期間約4年で、資産評価額が10万円ちょい、

次の仕事未定のため国民年金加入予定となっています。

その場合、確定拠出年金(個人型)加入が必須で、

脱退はとりあえず出来ないと確認しました。

 

脱退できないとなった場合問題になるのが費用の問題です。

加入して拠出金を自分で積み立ても、

運用指図者として資産を維持しても費用徴収があり、

目減りする可能性があるからです。

加入して拠出すれば拠出した分税金が安くなる一方、

運用指図者となれば徴収費用自体は安くなる。

運用のリスクを考えるとどちらも決め手に欠きます。

 

増田まとめでみた確定拠出年金(企業型)を放置した場合を反面教師としながら、

判断の足しになる情報がないかとネットをみていたら、

破産時の差押対象に確定拠出年金は含まれない記述を発見。

(横浜弁護士会の各種書式集の 申立代理人の方へ(管財事件について)

確定拠出年金受給権は公営の国民年金と同格に扱われるので、

国税の滞納以外での差押はうけないようです。

 

この情報を見つけたとき、はっと気づいたのです。

確定拠出年金ってオフショアに求める要素のいくつかを持っていることに。

・破産してもなお老後まで下ろせず、資産が法的に保護される

運用益非課税のため、同一の運用商品であれば必ず利益が多く出る。

(運用商品によるが、10%〜20%程度)

 

一方以下の点ではオフショアには及びません。

・加入資格が無いとそもそも利用出来ない。

・老齢になるまで使えない。早期リタイアには不向き。

・運用商品の選択肢が少ない。

・拠出金額には上限がある。(年81万6000円)

 

しかし、海外での運用となるオフショアより有利な点もあります。

・初期費用が圧倒的に少ない。

・自国の公営制度なので、非在住の外国人として行うオフショア投資と比較して、

 言語、法律的に不利な立場に立つことはない。

 

投資信託などでの運用経験があること、

私の投資目的「人生全般における生活の安定」との相性を考えた結果、

掛け金を払う事を決めました。

 

あくまでも、老後の生活設計は個人ごとの事情に合わせての判断が必要ですが、

参考になれば幸いです。

毎月配当投信を買おうとしているあなたへ

ファイナンシャルプランナーから言えることは、

毎月配当投信は、扱いが難しい商品だということ。

第一に、配当を目的で保有するので、基準価額の変動時の対応が遅れる。

具体的には基準価額が下落したならば損きりのために売却できるのか、

基準価額が上場したならば利益確定で売却できるのかということ。

第二に、お小遣い確保をもくろむ人向けの商品であること。

もうけるための仕組みを犠牲にしていることは、多くの人が批判している。

 

 

それでも毎月配当投信を買いたいあなたには、

お金に対する品性と現状認識を問い直したい。

 

 

例えるなら、あなたが家計を奥さんに任せている、

サラリーマンの亭主だとしてみる。

物入りで家計が厳しい月に奥さんが

「今月厳しいから、お小遣い半額で我慢して。ボーナスで穴埋めするから」

と言う奥様と、

「今月厳しいけど、なんとかやりくりしてみるわ」

と言う奥様、どちらが良い奥様だろうか。

 

 

 

 

前者はわかりやすいが負担が発生し、

後者は負担は無いが、やりくりの方法が不明だ。

やりくりの方法は、倹約か、借金か、貯金の取り崩しか、

いずれにしろ無いものはどこかからか持ってくるしか無い。

投信運用会社は家族ではない。信じることが幸せにつながると、

言いがたいのが金融界の実際だろう。

気ままに使えるお金が欲しいからとたどり着いたのが、

毎月配当投信だとしたら、投資の実際が見えていないと自覚するべきだろう。

クレジットカードとのつきあい方(II)

クレジットカードを複数枚持ちたくなる理由は結構多い。

ポイントサービス、付帯保険、その他カード独自のサービスなど、

年会費無料のカードなら費用負担は無いからなおさらである。

 

ただ、クレジットカードを支払いツールととらえた場合、

請求締め日から銀行口座引き落とし日までの期間の存在、

いわゆる支払いサイトの特性を考えた時系列の考え方が必須だ。

短いカードだと最短一ヶ月をきる一方、長いカードだと二ヶ月超もある。

 

あんまり考えず使うと、前月と前々月の請求がまとめてくる月が出て、

慌てるはめになったりする。(実話だったりして)

 

一回払いで手数料無料なら、支払いまでの期間が長いほうがいいと考え方は、

支払いを待ってもらうことが(払うはずの)利子分が儲かる意味では正しい。

しかし、支払いを忘れて後で慌てることが無いように注意が必要だ。

クレジットカードとのつきあい方(I)

お金の話で違和感を感じることの一つに現金主義がある。

現金主義の最大の利点として「手持ちの現金の範囲内で買い物をすれば、

現金が見えないクレジットカード払いより無駄遣いが抑えられる」

としている。手元に現金が無ければ買わないことによる節約効果は認めるが、

あえて異議を唱えたい。

 

異議1・光熱費、通信費など後払いの扱いが難しい

 現金主義は持っている現金の範囲内で買い物するはずが、

 持っていても使えない現金を別管理する必要が出てくる。

異議2・自分のお金を時系列でとらえることを避ける意図が見える

 借金が怖いのは分かるし、見えないものにひどい目に遭う危険を避ける点で、

 現金主義は優秀だが、生活の安定には視野が狭い。

 

日々の生活では収入を見込み、先月の支払いを準備することで生活の安定を図っている。

はっきり見えないから見ないでなく、

はっきり見えないから見つめる態度がより望ましいのではないだろうか。